時速30kmで走る小さなロボットを作るプロジェクトです。どんなロボットなのか、まずはプロトタイプがターッと走っている動画をみてください。ぼくはその動きを見てまず
赤塚不二夫のマンガを思い出しました。バカボンの本官さん(めんたまがつながってる警察官ですね)が怒ってピストルを撃ちながら走るシーン。足が残像で増えて、ぐるぐる回ってるように見えますよね。Robotics UnlimitedのOutRunnerは実際に足がたくさん生えてて、それをすごいスピードで回しながら走ります。
開発者は元々フロリダ大学の研究所で動物の動作をロボットに応用する研究をしていたようです。Robotics Unlimitedはそこからのスピンアウト。研究所のロボットよりも安くて扱いやすいものを世に広めるために始めた会社とのこと。OutRunnerが最初のプロジェクトみたい。
OutRunnerの動作は動物の動きを基にしています。進化の結果備わった、効率がよくシンプルなメカニズムをロボットに導入する研究は広く行われていますが、Robotics Unlimitedの人たちはそれを商業ベースに載せる取り組みが不足していると考えているみたい。そこで、KickstarterでOutRunnerプロジェクトを公開し、賛同者を募ることにしたという状況ですね。
2種類のOutRunnerを提供するプランになってます。廉価版のOutRunner Coreは6本足。最高スピードは時速16kmで最長1時間走れます。カメラマウントがついていて、自分のカメラを搭載可能。どのくらいの重さまでOKかはよくわかりませんでした。
上位版のOutRunner Performanceは足の数を変更でき、最高12本の足で時速32kmを実現する予定。オンボードカメラを搭載し、スマホでリモートコントロールできるようになるみたい。
生産の準備が2015年1月から始まり、出荷は同年6月とスケジュールに記載されています。ファンディングから出荷まで1年がかりと見積もっているようです。
技術面で知りたいことはいくつかありますが(転んだら人間が起こしてあげるの?)、スペックのハナシはこのくらいにして、ぼくの最大の疑問を発します。開発者たちはOutRunnerを手にした人々に何をしてもらいたいと思っているのでしょうか? 時速30kmで走れる破れ傘のようなロボットはなんの役に立つのでしょう? どうやら今のところ具体的な「用途」は提案されていません。純粋にロボットがターッと走る様を「楽しんでほしい」と考えているようです。
そういうことならそれでいいと思います。同好の士で集まって、徹底的に楽しみましょう。Robotics UnlimitedはOutRunnerの競技会を開きたいと書いています。たぶん、ロボットのチューニングや操縦技術を競うことになるのでしょう。OutRunnerは体重移動で方向転換する仕組みなので、高速走行中に狙ったコースを進ませるためには操縦者もかなり練習が必要なはず。新しい趣味のジャンルが生まれる可能性が見えます。
- 製品名
- OutRunner
- メーカー
- Robotics Unlimited
- 価格
- $299+米国外への配送料$30からプレッジ可能